自然資本との共生や再生を目指すグローバルな価値創造
熊本の地下水や生物多様性は、地域の暮らしや産業を支える重要な基盤である一方で、その価値が市民や企業の行動、地域内の経済循環に十分につながっていません。動植物園を起点に、水といのちの循環を学びと体験を通じて伝え、江津湖・街・阿蘇へと価値の循環を広げていく、熊本らしい都市型エコツーリズムと自然共生のあり方を検討しました。
2045年のありたい未来ビジョン
「水といのちの循環キャンパス熊本」
熊本市動植物園を起点に、水と生物多様性の循環を体験として学び、市民・観光客・企業の行動変容を生み出す場へと進化しています。園内だけで完結するのではなく、江津湖・街・阿蘇へと周遊が広がり、教育・食・移動が産業として循環することで、熊本ならではの自然資本との共生モデルを地域内外へ発信する拠点となっています。
実現に向けたステップ
「水といのちの循環キャンパス熊本」の価値を具体化するために、まずは園内での学びと体験の実証から始め、企業や学校、交通、地域資源と連動する仕組みを整えながら、最終的には自然資本が地域の暮らしと産業を支える公共価値インフラとして定着していく、段階的なアプローチが整理されました。
フェーズ1:学びと体験の入口づくり(2026〜2030年)
初期段階では、園内に「水といのちの循環」を伝える参加型の学びの場をつくり、探究学習や小規模な体験プログラムの実証を進めます。あわせて、自然資本の価値を可視化するミニ指標を定義し、企業協賛や返礼の枠組みを整えることで、学びから行動変容へつながる最初の入口を立ち上げます。
フェーズ2:循環の仕組みを拡張する(2030〜2035年)
次の段階では、園内の学びを江津湖、街なか、阿蘇へと広げ、教育・食・交通をつないだ循環プログラムを拡張していきます。同時に、協賛に加えて基金や周遊パス購買などの仕組みを整え、企業投資と地域内消費が保全や教育へ再投資される状態を目指します。動植物園が都市施策のハブとして位置づけられ、学校や企業研修でも継続的に活用されるよう推進していきます。
フェーズ3:統合管理と社会システム化(2035〜2045年)
中長期的には、熊本市動植物園がレジャー施設にとどまらず、水と自然資本について学ぶ場となり、地域の循環を支える都市の公共価値インフラとして定着することを目指します。自然資本への参加が市民の日常行動となり、企業投資や周遊、購買も含めた仕組みが常態化することで、熊本らしい自然共生と価値創造のモデルを地域全体へ広げていきます。
メンバー
高木 星治(カルビー株式会社 サステナビリティ推進部)
服部 法文(阿蘇のあか牛・草原牛プロジェクト)
藤木 雄二(熊本トヨタ自動車株式会社)
増澤 直(株式会社地域環境計画)
宮田 健司(九州産業交通ホールディングス株式会社)
村上 美香(熊本市動植物園マスタープラン推進会議/株式会社ヒトコト社)
松本 浩司(熊本市動植物園)
飯野 司(ファシリテーター、みらいリレーションズ)